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魔法のコンパス 道なき道の歩き方 西野 亮廣さんの著 読書感想文

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西野亮廣さんは、絵本作家であり、イベンター、校長、村長、ついには上場企業の顧問に就任とその才能は多岐にわたっている。しかし私の印象はキングコングの西野という一人の漫才師だ。

本でも書いているが、「はねるのとびら」という番組をきっかけにブレークした若手漫才師。
そんな順風満帆なある日、突然事務所にレギュラー番組以外は仕事をしないと言ったそうです。もちろん事務所は、「オイオイ」ってなったそうです。(笑
芸能事務所は人気のある人を抱え、その人に仕事が入ってくることで儲かる仕組みだ。その儲けてくれる奴が、急に、俺レギュラー以外仕事しないといいだした。それは大変なわけです(笑

でも、彼は言ったとおりレギュラー番組以外はテレビの世界から一旦、距離を置いたのです。

この魔法のコンパス道なき道の歩き方には、西野さんが一人の漫才師という枠を飛び越え、絵本作家、イベンター、校長、村長、上場企業の顧問に至るまでに、実践してきたことや考え方を包み隠さず書いた本だ。
読んだ後に、そうだねと気づかせてくれる内容が沢山あります。もしかしたら読み終わったあと、彼がレギュラー番組以外にテレビを辞めた理由がわかるかもしれません。

それでは早速気になったところを中心に本の紹介をしてみようと思います。

進化するには一番便利な部位を切り落とせばいい

西野さんは自分が進化するには一番便利な部位を切り落せば良いと言っている。

例えば人は、腕や手があることによって、コップを持ってお茶をのんだり、箸を持ってご飯を食べたりする。もちろん便利だからだ。わざわざ、足でコップを持ったり、箸を持ったりはしないだろう。

しかし、そんな便利な腕や手がなくなったら人はどうするか、おそらく足を使ってコップや箸を使うようになるだろう。毎日足を使えば、足の機能を進化させることができるだろう。

これはあくまでも一つの例だ。人は便利なものがあるとそこしか使わず、他の部位を使わないという意味である。決して障がいを持った人のことを言っているわけではないと言うことは付け加えておく。
つまり人は安住の地では進化をしないということだ。

当時西野さんにとってはテレビという場所は一番得意なフィールドであり、安住の地だった。そこを切り落とすことによって、新しいフィールドで進化することを目指したのだ。

なぜ、新しいフィールドに活路を見出す必要があったのか。

西野さんは次のように書いている。

プロの世界で60点では需要がない。需要がないのは0点と一緒。だったら、70点の部分を伸ばして100点、120点にするしかない。

120点になれば人より頭ひとつ抜きに出て需要があるということだ。しかしそうは言っても他の分野にもプロは沢山いる。

そこで自分を確立させるためにはどうしたら良いのか。

ヒントは藤原和博さんの著書「必ず食える1%の人になる方法」を参考にすると良いと言っている。

ざっくりいうと、ある分野に1万時間ぐらい費やせば、プロのレベルになれる。
Aの分野のプロだけではなく、Bの分野もプロになり、ついでCの分野もプロになれば、さすがに A×B×C の分野では、ずば抜けた一人として認められる。

三つは分かりづらいかも知れないが、二つならどうだろう。
カメラマン+戦場= 戦場カメラマン
アイドル+鉄道 = 鉄道好きアイドル

こんな形で普通のカメラマンよりも普通のアイドルよりも注目されることは間違いない。

かつ、もう一つプロ級になれば、そうそう人と被ることはないということだ。

彼にとってはそれが、絵本作家であり、イベンターであり、ビジネスの世界だったというわけだ。

好きなコトで生きていこうと考える人ほどお金に真摯に向き合うべきだ。お金の正体を把握することで、「面白い」の選択が増えるから。

西野さんはお金の正体は信用だと言っている。

ホームレス小谷さんという人の事例を交えて紹介している。

ホームレス小谷さんは、1日50円で自分を販売していた。(いわゆる何でも屋さん)
その日に受け取る金銭の対価は50円なのだ。

しかし、一緒に仕事をしていると、50円では昼飯は食えないだろうと、昼飯をおごってもらい、仕事が終わると酒でも呑んで帰れと奢ってもらえる。
のちに、50円で受けた仕事で知り合った女性と恋に落ち結婚することになったそうです。
しかし、ガチのホームレス小谷さんは、手元にお金がなかったそうです。

そんな中、クラウドファンディングで結婚資金を集めようと思い挑戦したら、3週間で250万円の大金が集まったそうです。

どんな人が支援してくれたのか、多くは50円で仕事を発注した人たちだったそうです。
彼らは、仕事を通じて小谷さんの人柄を知っていたのでしょう。彼が結婚するならと支援してくださったのです。

これって50円で仕事を受けていたからではなく、彼が受けた仕事を真摯に行った結果、顧客から得た信用がこの瞬間お金に変わったのです。

その後、彼が何かを企画すると全戦全勝でクラウドファンディングから資金を調達することが出来ているというのだ。これは凄いことだ。

彼はお金持ちではないが、多くの信用持ちである。
そして、お金とは信用を数値化したものなんだと西野さんは言っている。

だから皆さんもどんどん、人に信用されましょう。と言うことだ。

私の信用レベル低いなー(笑)

革命の起こし方

革命を起こすには、常識は疑ってみようと西野さんは言っている。
ある後輩芸人から、DVDを発売したいんです。ただ、3000枚売れないと事務所が「OK」っていってくれないんです。どうしたら良いですかと相談されたそうです。

1枚3000円だと3000枚で900万円。単純に考えると900万が損益分岐点。若手が900万も売るって大変ですよね。

で、西野さん。DVDの工場に直接聞いたらしいです。何をって。3000枚の印刷とパッケージするのにいくらかかるか。

かえってきた答えは27万円。

オイオイ、873万円はどこに消えるんだと、調べたそうです。

一番費用がかかるのが、流通コスト。いわゆる販売委託している会社へのマージンだったそうです。

1枚3000円で売れるならば、90枚売れればOKということになります。つまり91枚目からは自分たちの利益なんです。そう流通にさえ乗せなければ27万円が損益分岐点になるのです。

90枚ぐらいなら流通に乗せず、ライブ会場で手売りすれば。。。

その時、西野さんはちょうどニューヨーク講演の費用をどうするか考えていた時期だったらしく、後輩のDVDはさて置き、自分のDVDを作って販売し、資金調達をしたそうです。(笑

相当利益出たって書いてありました。いや常識を疑うのはとても大事ですね。

もちろん西野さんは事務所に所属している芸能人なので事務所にも利益分配はされていると思いますが、それにしてもこの行動力考える力は凄いですね。

まとめ

西野さんは今もいろんなことに挑戦している。そのためにはもちろんお金も必要だ。

しかし、彼が築いた信用によって、何かプロジェクトを立ち上げると、クラウドファンディングで資金調達が出来きる形になってきている。

まさに必要な時に信用をお金に変えている証拠だ。また新しいことに挑戦するのに、肩書なんて必要ないとも言っている。先日ネット動画みたら、今はミュージシャンって名乗っていますって言っていました。

理由はミュージシャンが、女の子に一番モテるから(大笑
西野さんらしい一面です。

一歩も踏み出していない人には、全く心に響かないかも知れませんが、一歩前に踏み出している人にとっては、とても心に響く本です。
どうぞ、週末のお供に。

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MOT(技術経営修士)取得後、9年勤めた会社を退職し、現在はフリーランスの営業・業務代行として活動中。 特許のライセンス契約(締結先)など、ちょっと小難しい内容から、ホームページ製作やカタログなどの販促物まで、営業や販売に付帯する一連の仕事を請け負っています。 Blogは好き勝手なことを書いています。本や食べ物、時々お仕事の話がでてきます。
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