楽天が携帯事業への参入を表明した。
電波が割り当てられれば、イーモバイル(現ヤフーモバイル)以来12年ぶりのキャリア誕生だ。
楽天のプレス発表だと
・既存のキャリアよりも低価格
・楽天グループのサービス(ポイントなど)による囲い込み
など
これにより、1500万人10%程度のシェアを目指すということが発表された。
戦略として単純に見れば
低価格戦略と囲い込み戦略のあわせ技だ。
株式市場では反発をうけたのか、楽天の株価が下がった。なぜだろうか。
一番は、設備投資金額が大きいことはいうまでもないが、もう一つは低価格戦略は必ずしも成功しないということだ。
普通は安くなるとみんな買うと思われているかも知れないが、実際には安いから買うのではなく、必要だから買うということを忘れてしまっている。
つまり必要なものには人はお金を払うということだ。
つぎに携帯電話の必要なこととは何か。それは繋がることだ。(電波が入る。速度が落ちないなど)
安くても繋がらないと意味がない。
ソフトバンクもボーダフォンを買収したときに、基地局数や周波数帯の問題もあったが、ソフトパンクなどと揶揄されていた。やっと10数年経ち、安定してきた感はあるが、それを考えると楽天がキャリアとなって、どれぐらいで安定した環境を整えられるのかも、株価下落の不安材料だったのかもしれない。
また、携帯電話のような成熟した市場であれば、低価格戦略を有効に活用できるのは、一番シェアを持っている会社だといわれている。
理由は、少々値段を下げても、低価格戦略でユーザーの総数(マケットシェア)が増えれば、利益が微増するからだ。
それ以外は自分で自分のクビをしめるので低価格戦略をとらない。
つまり、市場に新規参入する楽天が取るべき戦略は、低価格戦略ではない。
もちろんこの辺は楽天も分かっているので、楽天ポイントなどによる囲い込みのあわせ技を持ってきたが、このあわせ技程度では、反応がいまいちだったようだ。
ソフトバンクはボーダフォン買収後、iPhoneという毒?を飲み、ユーザーを増やしたことは有名な話だ。
楽天の携帯事業が立ち上がれば、格安SIMユーザーが楽天に流れる可能性は十分にあると思うが、楽天ポイントなどの囲い込みで、あとどれぐらいユーザーを取り込めるかはまだまだ未知数だろう。
参考例としてあげれば
ソフトバンクの場合は
ボーダフォン買収 → 設備強化 → 球団買収(ブランドアップ)→ 設備強化 → 毒?(iPhone) → ユーザー増殖 → 設備強化 → 総務省へプレッシャー → プラチナバンド獲得→ 設備強化
というアプローチだが。
楽天の場合は
楽天市場 → 球団設立(ブランドアップ) → 設備新設 → これから・・・・
スタートから全く違うアプローチを辿っている。今後、楽天の携帯事業がどのように成長していくのか楽しみだ。
最後に
auにはUQWimax
softobankにはYmobile とセカンドブランドがあるがドコモにはない。
10年後、楽天の携帯事業が、ドコモのセカンドブランドにならないことを祈りたい。