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アイデアブログ

ポイントで囲い込むのをやめる会社もあれば、今からポイントで顧客を囲い込む会社もある。ユーザーにとってはどっちがオトクなのか。

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ヤマト運輸が11月末を持ってクロネコポイント(受取、発送時に受け取ることができるポイント)の廃止を発表した。ポイント制度で顧客を囲い込むことがむつかしくなって来ている。と言う話を書いたばかりだ。

そんな中先週金曜日スターバックスコーヒーがポイント制度を発表した。驚いたのは今さらポイントで顧客を囲い込むのかなということだ。

同社はここ数年顧客満足度が落ちて来ている。そのことへの危機感からなのか。

しかしこのポイント制度は、顧客を囲い込む作戦ではなく、常連やスタバファンへの顧客満足度向上のために採用したようなのだ。

また従来のポイント制度とは違うアプローチで参加を呼びかけていることにも注目したい。
8年前から本国アメリカで同内容の制度がスタートしたとも言われている。それを今回採用したとの記事も出ているが、この1週間実際に体験してみたので、その辺を踏まえて今回のポイント制度を考察してみようと思う。

なぜ顧客の囲い込みではなく、顧客満足度向上なのか。

今回のスターバックスのポイント制度に参加するには

スターバックスカードとWEB登録が必要だ。

スターバックスカードとは、スターバックスの店舗で使用できるチャージ型の電子マネーカード。

入金はスターバックスの店舗で行える。また専用ページにスターバックスカード情報と自分の情報(クレジットカードなど)を登録するとクレジットカード決済(入金)が可能となる。

スマホ用アプリが準備されているので、スマホにアプリをインストールしとけば、スマホ内で全ての決済ができる仕組みだ。

ここに注目したい。従来のポイント制度は、どちらかというとお店が啓蒙して会員情報を集めポイントカードを発行するという形であった。しかしスタバのポイント制度については上記のように顧客側が全て自発的に行わないといけないのだ。無理やり入ってというスタンスではない。
つまり参加する人は常連ファンということになる。

またITをうまく活用しているので、お店は人が書いた文字入力の情報を改めてコンピューターに登録するという手間もない。言ってしまえばカードを売るという手間だけで済むのだ。

この後ポイント制度の特典がどこまで増えるのかはわからないが、ファンの中には収集家もいるので、限定品などの交換プログラムは嬉しい制度である。
またファンでなくてもポイントを利用して商品を交換できることは常連(ある一定の金額を使用する人)にとってもメリットがあるといえるだろう。

そもそもスターバックスの魅了ってなんだろうと考えたときに

・ ドリンクのカスタマイズできる
・ ゆっくりくつろげる
・ オシャレにみえる

ということだろう。

今までのスタンドコーヒー店にはない価値を提供し、一躍顧客満足度1位(カフェ部門)になったことは記憶に新しいだろう。
しかし以前こちらのブログで触れたが、近年は顧客満足度が下がっているのだ

そこで、スターバックスの嫌いな理由を調べると

・ 注文の仕方がわかりにくい
・ 待たされる
・ いつも混んでいる

などの理由があげられる。

私のようにコーヒー(無糖)しか頼まない人もいるが、コーヒーまたはコーヒー以外の飲料にアレンジを加える(カスタマイズ)ことができるのがこの店の最大のウリである。

つまりスタンドコーヒー店にはない価値を提供しているのだ。
カスタマイズは、商品提供まで待たされるし、注文が複雑になるのは当たり前なのだ。それを良しとする人が本来行くべきお店であって、早く提供することを望む人が行くお店ではないのだ。

また、彼等はコーヒーを売っているのではなく、空間(お店での体験)を売っているといっている。(コンセプト)
例えるなら野球場の自由席と同じなのだ。
チケットを買い、球場に入り、野球場の雰囲気を楽しむ。遅く着て席が空いてなければ立見でするしかない。
野球場に遅れてきた人が「おい。席をどいてくれ」とは言わないし、係員が「席を交代してくれとは言わない」

もともとスターバックスとはそういうお店なのだ。

顧客満足度の低下は、店舗が増え、来店者も増えたことによる、顧客側からの要求事項が増え全てに対応できないからともいえる。だからっといって全ての顧客に応えるにはコストも馬鹿にならない。

そのなかで顧客が自主的に参加しないと成立しないというポイント制度によってファンの顧客満足度をあげようとする試みは面白いと思う。どのような結果ができるのか、注目したい。

最後に忙しいビジネスマンのために、提供するスピードを目的とした、お持ち帰り専用のスターバックスがターミナル駅を中心に出店されてきていることは付け加えておく。

 

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