池井戸作品初の映画化。空飛ぶタイヤ。
映画は連続テレビドラマと違い、2時間という限られた時間の中で内容をギュッと閉じ込めて放映される。
今回は原作を読んでいないので、違和感なく観ることができたが、きっと原作を読んでいる人にとっては、物足りなさを感じるかも知れない。
しかし2時間という時間の中でも、池井戸作品ならではのエッセンスは注ぎ込まれている。
一つは、中小企業が大企業を追い詰めていく姿。
もう一つは、大企業の論理で突破できない壁。
そして最後に現れる救世主。
2時間一時も目を離せないことは言うまでもないが、私はトイレに行きましたw
ここからはネタバレにもなるので、まだ観てない方、原作を読んでいない方は離脱することをおすすめ致します。
それでは早速感想文を書いてみましょう。
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平凡な日常。
買い物帰りの母と子が、仲良く家路につく途中事件は起きた。
緩いカーブに差し掛かったとき、ブレーキをかけたトラックからタイヤが外れ、空を舞ったのだ。
直径1mはあろうかというタイヤが空を舞い目の前を歩く母親に直撃し亡くなる。
物語はここから始まるのだ。
事故を起こしたのは、赤松運送という街の運送屋。
今回の物語の主役はこの赤松運送の社長赤松を中心に進んで行く。
整備会社からスタートしたこの小さな運送会社。
吹けば飛ぶような小さな会社だが、整備は会社の創業精神と、外注することなく自社で車の整備を行い、運送業を営んでいた。
従業員は家族。
先代からの教えもあるが、経営としてはリストラをしないと継続できないところまで行き詰まっていた。
そんな時この事件は起こった。
事故を起こしたトラックを警察からの依頼で自動車メーカーが検査したところ、タイヤが外れたのは整備の不具合であるという見解が示された。
そう、つまり過失は赤松運送側にあるという見解が記されたのだ。
しかし赤松運送は基準で決められて項目以外に、社員が自主的にチェックする項目を増やし対応していた。
今回問題とさえていた部品も事前にチェックしていたのだ。
当初従業員を疑った赤松社長だったが、自分を恥じた。
それではなぜ事件が起きたのか。
そんな時、他の運送会社でもトラックのタイヤが外れ、大事故があったことを知る。
赤松社長は居ても立ってもいられず、その運送会社に出向き話を聞くが、そこでもメーカーの回答は整備不良という見解だと聞かされる。
しかし短期間で同じ自動車メーカーのトラックのタイヤが簡単に外れるだろうか。
これをきっかけに赤松社長はメーカーが構造的な欠陥を隠しているのではないかと疑い始める。
しかし調べる術はない。
できることといえば、メーカーに部品を返してもらい、自己検証する以外に道はなかった。
しかしメーカーに電話しても責任者に取り次いでもらえない日々が続く。
そんな悶々とした日々く赤松社長とは違い、
メーカーの担当者の沢田は、中小企業のオヤジの戯言と、たかをくくっていた。
しかしあることをキッカケに、社内でリコール隠しをしていることを突き止めてしまう。
しかもそれはタイヤの機構部分の問題だった。
まさか・・・揺れ動く沢田。
しかし今更・・・
一度は実名で社長宛に進言をするが、最後にこのリコール隠しを取り仕切っている常務グループに、人事という人参をぶら下げられ、取り入られてしまう。
赤松社長もこれで万事休すかと思われたとき、彼の目の前に記者が現れた。
そう実はこの問題、赤松運送や赤松運送が聞きに行った会社以外でも起きていたのだ。
なぜ今まで表に出なかったのか。
運送会社はどこも吹けば飛ぶような会社だ。
事故を起こした補償問題などを考えれば、喉からお金が欲しいということはいうまでもない。
そしてその提案は保証金という名で赤松運送にも提示された。
悩む赤松社長。
赤松社長はこの提案に乗ってしまうのか・・・
スポンサー(広告)ありきの週刊誌に、大手自動車メーカーのリコール隠しの記事はリリースされるのか。
はい。
提案に乗りませんし。
記事は直前でストップ。
まさに絶対絶命。
しかし最後の最後に救世主が現れたのです。
一体誰が救世主なのか。
ぜひ劇場でご確認ください。