企業はお客様の声を聴くのにアンケートを取ることがある。
お客様の声に耳を傾け、そのとおりに作ったのに全く売れないということは、よくある話だ。
なぜなのか、先日「コトラーマーケティングの未来と日本 フィリップ・コトラー著」読書感想文でも書いたが、消費者の心理が変ってきているからだともいえる。
アンケート取って、お客様の意見を聞いたのに。。。
売れない理由は一つではないが、価格を例にそこのところを解説してみよう。
アンケートの場合どうしても、記述式よりも選択式を採用したくなる。
理由は、回答してもらいやすいからだ。
例えば、ある商品の価格についてアンケートを取る場合、選択式にすると
この商品の定価は90,000円を想定していますが
・ 高いと思いますか
・ 安いと思いますか
・ どちらとも思わない
というような選択になる。
ここで高いという評価が出て、発売するときに80,000円にしたら、爆発的に売れるかといえば答えはNOだろう。
価格についてもっと掘り下げていくならば
例えば競合品・類似品Aがあれば
競合品Aと比べて機能Bは劣りますが、機能Cはずば抜けて優れています。
競合品Aの価格が100,000円ですが当社の販売価格は90,000円を想定しています。
想定金額の90,000円は高いですか。安いですか。というぐらいまで、質問を落とし込まないといけない。
ここで、高いと答える人が多いなら、もしかしたらその系統の商品は、お客様からみると機能Bが優先であって、機能Cはそれほど重要でないということが読み取れるかもしれない。もしかしたら単純に90,000円という価格帯も高いのかも知れない。
安いと答える人が多いなら、当初のコンセプト通り、機能Cが優先で機能Bはそれほどでもないのかも知れないし、単純に従来のモデルが高すぎたのかも知れない。
同じような質問をしても実は本質にたどり着かないのだ。
また選択式でも質問が多すぎると、面倒くさくなってちゃんと回答して貰えないということもある。
そのためには質問を設定するための予備調査(アンケート)のが必要なのだ。
つまりどのように質問をしたら、こちらが望んでいる回答が帰ってくるのか。この質問を考えることこそがアンケートにはキモになってくる。
実はアンケートの結果というのは、都合よく解釈もできることを理解して行わないといけない。
実際にある大学の研究室などではそういった結果がでるように、モニターを選別することがあるという。
みなさんもアンケートをとったら、一喜一憂せずに、そこから見えてくる数字から何を意味しているのか考えてみると良いかもしれません。
数字の先に見えるものこそ、お客様の真実です。