松浦弥太郎さんは9年間「暮しの手帖」という雑誌の編集長を勤められていた。暮しの手帖は昨年、NHKの朝の連続ドラマ「とと姉ちゃん」のモデルになった大橋鎭子(おおはししずこ)さんが創刊された雑誌だ。ドラマでも取り上げられ注目されたのでご存じの方も多いはず。
現在はククパット株式会社で「くらしのきほん」というサイトを立ち上げ、紙からデジタルへ表現する媒体は変わったが、人々の暮しに役立つ情報を提供している仕事をされている。
本書は、松浦さんが読売新聞に連載していた「松浦弥太郎の暮らし向き」をまとめた本だ。見開きで一つのテーマとなっており読みやすい。コラムなので気になるページから読めるのも嬉しい。
誰かの考えが全てではないが、そうだようね。そういう考えもあるのか。と気づかせてくれる。そんあ一冊であることは間違いない。私が心に響いた箇所を中心にさっそく本を紹介したいと思います。
そのままの味を探す
松浦さんはある日突然、味について考えた。すぐに思いついたのは、醤油やソース、マヨネーズといった味だ。でもこれらは本来の食材の味ではなく、調味料の味だということに気づいたのです。
そしてさらに考えると、多くの料理は調味料の味付けになっているということを再発見してしまった。
私自身も、ふと気付かされました。 確かに・・・
この気付きから松浦さんは、コロッケにソースや、お刺身に醤油をつけることをやめたそうです。つまり食べるときに加える味付けをやめたのだ。
最初は味気なく感じたそうですが、しっかり噛むと食材の味が味わえ、まさにこれが味覚なのかも知れないと思ったそうです。
調味料を減らすと結果的に塩分も過剰に摂取しなくてすむ。でも私は試せないかな(笑
浪費 若いときの貴重な体験
最近は簡素に暮らす、良いものを少し、というような生活スタイルが注目されている。松浦さんはこれが悪いとは言っていないのだが、若い時は簡素に暮らすとか考えず、十分無駄遣いをして若い頃にしかできない経験をして欲しいと言っている。
社会人になり収入を得ると、欲しいものが買えるようになる。20代や30代は欲しいものだらけで、それらを得ることによって心も満足する。
しかし実際に目に見えるものがいくらあっても、それだけでは幸せにはなれないということに気づく。
簡素に暮らすのはそれからで良いと言っているのだ。つまり経験をしてそこに辿り着いた人と、他人がそうだと言ってそのスタイルに辿り着いた人では全く違うということだ。
もしかしたら、簡素にしか暮らしたことがない人が、ある日突然物欲に目覚めたら、老後破産する前に破産なんてこともあるのかも知れないですね。
無駄も人生に取ってはいい経験なのだと。
私なんて無駄だらけの人生ですからね(笑
そろそろ簡素に生きなければ(大笑
ずる休みの効能
ずる休みとは正当な理由がないのに休むこと。
松浦さんはアイデアが出てこないとき、出先から会社に戻らず、公園のベンチで甘いものを買ってずる休みするそうです。これがずる休みなら、サラリーマン時代の私は毎日がする休みだったと思う(笑
ずる休みの効能として、環境を変えると新しいアイデアがでたりするそうです。
出ない時はそんなものだと思って、ずる休みした分、明日は頑張ろうと思うそうです。
ずる休み(おサボり)は、リフレッシュの効果が高いということです。
松浦さんは、みんながどこで、ずる休みしているのか想像するのが楽しいそうです。
そう言えば、以前勤めていた会社の先輩が、勤務中「パチンコ屋に行くのはダメなんだ」「喫茶店は良い」ということを私に言ってきた。
生意気だったので、「どっちも仕事サボってるんだから、同じじゃないんですかね」
と言ったら、「馬鹿やろうと」言われた(笑 この人は喫茶店はサボりじゃなかったんだな。私はサボりだと思ってましたが・・・
でもパチンコ屋じゃうるさくて確かに新しいアイデアは浮かばないかな(笑
読ませるのが「良い写真」
写真とは観るものでなくて、読むものだと松浦さんは言っている。
何を読むかというと、そこに表現されている物語だというのだ。
良い写真というのは読むべき物語があり、ダメな写真は読むべき物語がない。
1枚の写真を観た人が、ふと心を奪われ立ち止まるのは、何かを読み取っているからだと。
今は簡単にスマホで写真が撮れ、SNSで共有できる時代。果たしてどれぐらいの写真が「良い写真」なのか。決してそれは、FBのいいねや、Instagramのハートマークの数ではないだろう。
私も写真が好きなので、良い写真を撮れるようにしたい。
七十歳をしあわせのピークに
40代、50代。サラリーマン人生は折り返し地点、または最後の直線に差し掛かったと思ってしまう年頃だ。そんな松浦さんも50代。
でも彼は言う。今の世の中70歳でもまだまだ元気。だったら70歳をしあわせのピークに考えよう。そうすれば40代、50代、まだまだ色んなことにチャレンジできるよって。
これは私にとっては勇気をいただけた言葉。あと30年。頑張れるかな。頑張ろう。
ホテルのバーで昼の息抜き
息詰まったときは、クラシカルなホテルバーでランチを食べながら、昼間から軽く一杯いただき、普段とはちがうランチの過ごし方をしてみてはどうかと松浦さんは言っている。
バーである必要はないが、忙しなくお昼を食べているならば、同じお昼の1時間を使い、いつもと違う空間で過ごすことによって気分を立て直す。そんな方法を見つけておくと良いと言っているのだ。
わたしの気分転換は、美味しいものを食べる。に尽きるかな(大笑
だから、著書にでてくる、帝国ホテルの「オールドインペリアルバー」のハンバーガーとホテルニューオータニの「バー カプリ」のハンバーガーが気になってしょうがない(笑
クロワッサン 食べ方の奥深さ
クロワッサン。皆さんどうやって食べています。
バターが練り込また生地が重なり、あのサクサク感と芳醇な香りを放つフランス生まれのパン。
日本でも認知され、みんな大好きクロワッサンとは言わないが、みんな必ずといっていいほど、パン屑がでて、ボロボロになりながら食べるパンだ。
予めカットしても、カットした時にパン屑がボロボロこぼれる。クロワッサンとはそういうパンだ。
松浦さん、ある時フランスの知人にクロワッサンの食べ方を聞いたそうです。
そしたら、フランスではクロワッサンはカフェオレ(コーヒー)に浸して食べるのが一般的だと教えてもらい、衝撃をうけたようだ。
浸すと柔らかくなり、パン屑がボロボロこぼれないできれいに食べられる。もちろん全員がそうするわけではないようだが、これもまた新しい発見だ。
わからない時は他の人の頭を借りる。みんな世の中先生ですね。
実はわたしはこの話は、フランスに留学したことのある人から聞いたことがありました。
ちなみにフランスパンと呼ばれる細長いパン。フランスでは朝食には食べないそうです。(これも絶対ということでないとおもうが)
しかし、未だに私はボロボロこぼして食べております(笑
まとめ
タイトルにもある通り、「自分で考えて生きよう」だ。本に書いてあることを
・真似るもよし。
・全く逆をやるのもよし。
・少しだけ替えるのもよし。
つまりヒントなのだ。
人生を豊かにするヒントが散りばめられている本。
ちょっと行き詰ったとき、人の考えを借りるのも、人生を豊かにする気がしました。