いよいよ地方大会も佳境を迎える高校野球。
今月末にも47都道府県49チームの代表が出揃う。
高校野球ほど参加数が多い競技はないだろう。
じつに4000近くのチーム（学校）が、深紅の優勝旗をかけて戦うのだ。
抽選の結果次第だが、地方大会はプロ予備軍のような強豪チームと思い出づくりのために編成された即席チームが対戦することもある。
高校野球は手を抜いてプレーしてはいけないという、暗黙のルールがある。常に全力だ。
だから強豪校は、相手が即席チームと分かっていても、全力で打ち、投げ、試合をする。
そして驚く点差がつくこともある。それが高校野球。
しかし、強豪校だろうが即席チームだろうが、必ず1チーム以外は一度は負けるのだ。
早いか、遅いかは、チームが勝ち進んだかどうかの違いだ。
ほとんどが敗北を必ず味わなくてはならない。
白球を追いかけ、追いつくことができず、サヨナラ負けで高校野球を終える者。
見逃しの三振で高校野球を終える者。またはベンチでその瞬間を迎える者。
３年間一度も公式戦に出れず、スタンドで高校野球を終える者。
沢山の最後がそこにある。
若人の活躍に一喜一憂し、誰かに自分を重ねることによって得られる、疑似体験こそが高校野球の醍醐味なのだとおもう。
暑い夏を。