毎年多くのプロ野球選手が誕生する。その数ざっと100人前後だ。
その反面、毎年100人近くのプロ野球選手が引退するのだ。
自らの意志で引退する者。
球団に肩を叩かれ、本人も納得して辞める者。
まだまだ続けたいという思いはあるが、どこも受け入れてくれないので辞める者。
ドラフトという共通のルールのもとに入団をするが、辞めるときに共通のルールなど存在せず、球団のサジ加減でクビが決まる。それがプロ野球だ。
当たり前と思う反面、辞めさせる決定権が球団にあることを考えると理不尽とも思えるが、このシステムが変わることはないだろう。球団も職員としての受け入れや、関連会社への就職斡旋など、決して冷たいわけではない。長年チームに尽くしてくれた選手には優しかったりする。
そもそも、本当はプロになれるだけでも凄いことなのに・・・
おれの力さえあれば、そんな理不尽なシステムなんて関係ないと、今年も狭き門に人生をかけ挑戦をする若人がいる。
しかしプロに入ったことがゴールではない。
活躍しないと
「なんだよあいつ」「大したことない」「給料(契約金)泥棒」
など、陰口どころか本人の耳に直接届くという、恐ろしいシステムが待っている。
いつも思うが野球選手。うつ病とかにならないんだろうか・・・
とくに入団前に期待値が大きい選手ほど、ファンの声も大きく、本人の耳に届くことはいうまでもない。
今年最も期待値が高い選手といえば、早稲田実業の清宮選手だろう。
今日プロ野球入りを表明した。
どの球団が10月26日のドラフトで指名するのか、プロ野球ファンとしては楽しみだ。
海外への挑戦を考えているなら、ポスティング制度を利用し、若いうちに挑戦をさせてくれるチームがいいだろうし、優勝という体験をするならば、常勝チームがいいかも知れない。
または自分の力でチームを勝たせたいという想いがあるならば、力の落ちたチームがいいかも知れない。
新聞紙上では
オリックス以外11球団が指名。
史上初。全チームが指名。
など賑わしてしいるが、実際には清宮選手の競合を避け、ほかの良い選手を指名するという戦略をとってくるチームもあるだろう。しかし彼が良い選手であることには間違いない。全チームとはいかないまでも、複数のチームが指名してくることは間違いない。
過去ドラフト会議で指名数が多かったのは
・野茂英雄さん
・小池秀郎さん
の8チームだ。
共にポジションは投手。
野茂さんは社会人。小池さんは大学生のときに指名をうけた。
しかし、小池さんはこの時のドラフトで指名したロッテには入団せず、のちのドラフトで近鉄に入団をしたのだ。相当ロッテが嫌だったらしい。
今回注目の清宮選手と同じ、高校生、野手で指名数が多かったのは
・阪神の福留孝介選手
福留さんもこの時のドラフトで指名した近鉄には入団せず、のちに逆指名で中日に入団した。
彼は、中日、巨人以外は社会人に行くと宣言していただけに初志貫徹というところだろう。
7球団以上指名された選手は3人いるが、そのまま入団したのは野茂さんだけなんですね。
ついで6球団競合の選手(カッコ内は指名球団・ポジション)は
岡田彰布さん(阪神・野手)
清原和博さん(西武・野手)
大場翔太さん(ソフトバンク・投手)
大石達也選手(西武・投手)
菊池雄星選手(西武)
5名。
6球団で競合し指名を受けた選手で入団を拒否した人はいない。清宮選手は、何処のチームでもということのようなので、指名拒否はないのかな・・・
それにしても、6球団以上の複数球団から指名を受けた選手でも、プロの世界で成功したといえる成績を収めたのはざっと半分といっていいだろう。
大石選手菊池選手は現役なので判断がつかない部分もあるが、現状を考えると入団以来成功したというほどの成績を継続的に収めているとはいい難い。
投手では野茂さん以外はプロの世界で成功したとはいえない成績だ。
その反面野手3人は全員成功したといってもいいだろう。
プロ野球のスカウトは、毎年沢山の選手を観ているのだから眼力は相当なはずだ。
そんな各チームの眼力が、”良し“とした選手でも、投手は上手くいかないのか。やはり、投手は肩や肘の状態が、入団してからでないとわからないということがあるのかも知れない。
もちろん野手の清宮選手が、ドラフトで6球団以上指名をされたからといって、成功が約束されたわけではない。
ただ、近年、ワクワクする選手が少ないだけに活躍を期待したい。