サッカーワルドカップが終了して、早1ヶ月。
このタイミングで出版されるところをみると、出版社の意図を感じずにはいられない。
しかし最近スポーツ界。
とりわけ経営側(団体)やリーダー側(指導者)の問題が表面化している。
バスケットボールもそんな経営側の都合で、オリンピック出場が危ぶまれていた。
そこで登場したのが川淵さん。
Jリーグで発揮した手腕を買われ、バスケットボールのリーグ統合に尽力された。
そんなご経験をされた川淵さんが考える組織論、指導者論。
そして今回のサッカーワルドカップの戦い。
直前の監督交代劇についてなどの感想が書かれている。
リーダー論を学ぶにはとてもためになる一冊だと思う。
それと今回の出版を記念して、読売新聞社の渡邉恒雄氏との対談が収められている。
一定以上の年齢の人ならば覚えているだろうか、この二人はJリーグ発足時、メディアを通じて毎日賑わしていたことを。
「独裁者に独裁者呼ばわりされた」
「スポーツ振興で地域密着など意味がない」
「サッカーは企業名を入れない。Jリーグにジャイアンツは不要」
「あいつの年俸をしっているか」
など
そう犬猿の仲の二人。
宣伝のために出版社がセッティングしたのかと思ったら、川淵氏自らが今対談したい相手に渡邉氏を指名したのだという。
対談の理由は一度ちゃんと話しをして見たかったから。
渡邉氏も快諾し実現に至ったのだが、正直あの時期を知っている私からすると直接話しをして何を聞き出すのか。聞くのかということは大変興味深い。
主な対談の内容は
お互いのスポーツ(プロスポーツ)についての価値観
オリンピックについての価値観
リーダーと独裁者についての価値観
リーダーとしての哲学
正直対談を読むだけでも価値のある一冊だろう。
二人に共通していることは
とても勤勉で、お金にクリーンであること。(リーダー資質)
相手が誰であれ思ったことを素直に話すということ。
敵を作りやすいこと。
などが読み取れる。
また驚くべき点は
独裁的にマネージメントをするのが得意なのは、川淵さんの方だということ。
もちろん独裁的というと印象は悪くとらわれてしまうが、引っ張っていくタイプのリーダーということだ。この辺はスポーツ畑の出身であることも起因しているのかも知れないが、独裁者のイメージの強い渡邉氏よりも独裁者というのはちょっと驚きだ(笑
そんな独裁者?川淵氏の考えが書かれた、組織論、指導者論の一冊。
リーダーになって悩んでいる人は一度読んでみてはいかがだろうか。