プロ野球のシーズンが終了した。残すは日本一を勝ち取る戦いとなる。
クライマックスシリーズに進出しないチームは来シーズンを睨んで、監督やコーチ人事が早々に発表になり体制づくりに余念がない。
そんな中私が注目しているのは、いよいよ大谷翔平選手、海は渡るのかだ。
報道やシーズン終盤の起用方法を見れば間違いなく、来シーズンメジャーへ挑戦ということになりそうだが、どのタイミングで発表になるのかが待ち遠しい。
ただ名物対戦がなくなりつつあるプロ野球の世界で、大谷対清宮を一度も観られないのは、ちょっとさみしい気もするが、5年目終了の大谷選手がポスティングで海を渡ることの意味は相当深い。
まずはポスティングを容認しているチームでも5年目終了で手放すということは流石にない。
高卒の大谷選手は年齢からいえば、今年大卒でプロ野球に入った1年目の選手と同じだ。
それこそチームにとっては、これから10年間中心になっていく選手だ。
もちろん本人の活躍もあってのことだが、5年目終了時というのは驚き以外の何物でもない。
ほかの著名な選手のポスティングと比較してみると
イチロー 9年目終了時
松坂大輔 8年目終了時
ダルビッシュ有 7年目終了時
田中将大 7年目終了時
前田健太 8年目終了時
近年は海外FAが9年と短縮になったこともあるが、それでも7年目終了時にポスティングで海を渡る選手が最短だ。
もちろん今回のポスティングは昨年優勝したことは大きな要因かもしれないが、契約時にどこまで約束されていたかはグレーゾーンだ。
宮迫風にいうならばグレーではなく、オフホワイトだ。
表立っては、入団交渉で何年後に好きなチームにトレードしてあげるとか、ポスティングしてあげるということを約束して契約することはNGとされている。
ゆえに契約書では取り交わさず、最終的には口頭レベルだろう。
おそらく表立ってはいないものの、口約束で契約書に記載されていない約束が反故にされたものはあるはずだ。
そしてそれらに関わっている人達は、どこかで口約束だからね。そういうものだ。という認識があるはずだ。
しかし日ハムが今回約束を守るとなれば、このグレーゾーンを守ったことを印象づけることになる。つまりあそこの球団は口約束も守る。という印象を植え付ける。
7年目終了時や8年目終了時で容認となれば、FAで出ていかれるなら、ポスティングでお金を回収という印象を根付かせてしまうが、5年目での決断はそれを凌駕する。
もちろん今回も金銭的な意味合いがないわけではないが、5年目終了時で容認するということを示すと、これからプロ野球に入ってくる選手も活躍さえすれば5年でメジャーに行かせてくれる球団だという印象を強く持つだろう。
大谷選手のポスティングによって、チームは戦力ダウンとなるが、そのかわりにグレーをホワイトにする効果、つまり信用を勝ち取ることになるだろう。
それぐらい5年目終了時のポスティングの意味は深いと読んでいる。