今日もちょっとお仕事のお話。
当ブログでも何度か名前が出ている、圧力容器。
名前の通り圧力を保有できる容器のことをいうのですが、ただ保有できるという条件以外に、大気圧を超える圧力を保有できるという条件がついています。
大気圧を超える?既になんだかわかりませんよね。
やや専門性にかけた説明になりますが、ザックリ言ってしまうと私達が生活している状態が大気圧です。つまり生活している状態、生活ができている状態以外の圧力を保有できる容器が圧力容器です。
もうちょっと細かい話をすると、容器の内容積と、そこにかかる圧力(これを最高使用圧力)の積の値を確認したり、容器の大きさ(幅、高さ)を確認したりと、条件がいくつかあり、それらを一つずつ確認していきます。
そして全ての条件が整うと使用者の安全性を担保するために、認定協会からこの容器は圧力容器として問題ないですとお墨付きをいただかないと使用できません。
▼ 認定協会は二つあります。
なぜお墨付きをいただくのか。
それだけ圧力容器というのは事故が起こったときに危ないからです。
だから使用者の安全を考慮して設計・製造する義務が発生します。
どうやって協会からお墨付きを貰うかというと
1.強度計算書
使用する容器の形状、材質が、使用条件で持つのか理論的に証明をします。
2.図面
一般的には溶接で部品を接合するため、ルールに則って溶接するようになっているか。
3.立会検査
製造が終わった後に、試験官による検査。
これを持って合格となります。
通常は国内で設計・製造・使用という手順になりますが、中には海外の圧力容器を輸入して使用する場合もあります。この場合は国内のルールに則って申請手続きをする必要があります。
輸入品の圧力容器を使用するのは簡単そうで、じつは厄介です。
今回輸入のケースのお仕事のお手伝いをしたのでちょっと概要を書いときます。
1.材料について
JIS規格に定められている材料でない場合は、設置する都道府県の労働局の担当者へ確認をする必要があります。(通常、JISと同等品と認められているものであれば大丈夫)
2.強度計算書について
JIS規格に定められている計算方式にて算出し直す必要があります。
3.図面について
図面もJIS規格に定められているよう書き直す必要があります。(既にある場合は不要)
国内で設計・製造する場合は、材料もJIS規格のフランジや鏡板を使用することが多いので強度計算で異常値がでることはほとんどありませんが、海外のモデルの場合は、希に一部部品の計算値に異常値が出る場合がある。
この場合、検査協会に相談し、非破壊検査、または対象部材の歪検査にて合格する必要がでてきます。
強度計算書でNGになったからと言って、諦めずまずは協会に相談することをオススメ致します。
▼ 圧力容器のご相談はこちらから